社員証を忘れた人への臨時カードの貸し出し。異動や退職に伴う登録変更。来客のたびに発生する、受付から担当者への取り次ぎ。一件一件の対応にはたいした時間がかかるわけではないけど、速やかに対応しないといけなかったり、振り返ってみると相当時間を使ってしまっていたり、カードの紛失でセキュリティにリスクを感じたことないですか?
こういったバックオフィスの対応、実は業務負担のみならず、オフィスセキュリティに大きなリスクとなることが多いです。高まっている企業のオフィスセキュリティ、何から見直せばいいのでしょう。
まず整理したいのは、誰が、どこに、いつまで入れるかと、その設定を誰が管理するかです。日々の手間と安全上の懸念を分けて点検すると、運用ルールを変えるか、設備や認証方式を検討するかを判断しやすくなります。
この記事では、いまのオフィスの管理に課題を感じている総務・施設管理担当の方の皆様に、入退室・権限・来訪者対応等の点検・見直し方法をご案内します。
見直しの出発点になるのは、日々の業務で繰り返し対応していることや、担当者の判断に頼っている場面です。カードの貸し出しや退職時の登録変更など、具体的な場面からたどると、手間がかかる理由と、管理上の確認が曖昧な部分を整理しやすくなります。
オフィスへの出入りは、社内の書類や機器に誰が近づけるかにも関わります。東京都のガイドでも、訪問者の記録や対応、重要情報を保管する部屋への入退室管理が取り上げられています。
確認の手がかりは、「人の動き」と「管理する側の対応」の二つです。たとえば来訪者の案内なら、受付から会議室までにどこを通るかと、誰が受け入れや退出を確認するかを併せて見ます。場所だけ、担当者の作業だけでは捉えにくい課題も、この二つを重ねると具体的になります。
来訪者対応を整理する例。人の移動と、各場面での担当者の対応を併せて見る。
ここで整理したいのは、誰が、どこに、いつまで入れるかと、それを誰が管理しているかです。困りごとの背景が見えてくると、社内の手順を見直すのか、設備について相談するのかも考えやすくなります。ビル共用部の設備なら管理者、システムの連携なら情シスなど、課題に応じて確認先も変わります。
いつもの対応を振り返るヒントとして、六つの視点を紹介します。自社で気になる項目を手がかりに、どんな場面で負担や不安が生じているか、担当者がどう対応しているかをまとめてみましょう。
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点検する項目 |
確かめること |
見直しの例 |
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カードの忘れ・紛失 |
本人確認、貸し出し、利用停止、返却確認を誰が行うか |
忘れた場合と紛失した場合の手順を分ける |
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入社・異動・退職 |
入れる場所の変更と、権限を止める作業を誰がいつ行うか |
人事からの連絡後に、設定変更の完了を確認する |
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協力会社・来訪者 |
訪問先、入れる場所、利用期間、退出をどう確認するか |
社内の受け入れ担当者と権限の終了時点を決める |
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区画ごとの出入り |
業務に必要な範囲を超えて入れる人がいないか |
部署や担当業務ごとに、入室を許可する場所を点検する |
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入退室の記録 |
誰が、いつ、どこを利用したかを後から確認できるか |
必要な記録の項目と、確認する担当者を決める |
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通常どおり入れない場面 |
カード忘れ、認証失敗、通信断、停電で対応が決まっているか |
状況ごとに代替手段と連絡先を整理する |
入室できる人や場所を決める設定を、ここでは「権限」と呼びましょう。入社時の登録だけでなく、異動や契約終了に合わせた変更、退職時の停止までを点検対象にします。
たとえば、退職の連絡を人事が受け、総務がカードを回収し、別の担当がシステムの設定を変更する運用を考えます。この場合、カードの返却確認と、入室権限を停止したことの確認はそれぞれ必要です。誰からの連絡で、どの担当が操作し、誰が完了を確かめるのか。担当者が交代しても引き継げるかが、手順を見直す際のポイントです。
協力会社の利用期間を延長するときも、変更を依頼する人と設定を変更する人を決めておきます。期限を過ぎた権限や、不要になった設定が残っていないかも、点検の手がかりになります。
来訪者の氏名を記録する作業に加えて、誰が受け入れ、どこへ案内し、退出をどう確認するかを整理します。受付担当だけで完結しないため、訪問先の社員と役割を分けておくことが必要です。
受付からの電話がつながらないことが課題なら、担当者への通知や不在時の連絡先を見直す余地があります。一方、案内後に来訪者がどこまで移動できるかが課題なら、会議室の配置、同行のルール、扉ごとの入室制限を検討することになります。同じ「来客対応の困りごと」でも、必要な対策は変わります。
入退室の記録は「ログ」とも呼ばれます。記録が残っているかに加え、確認したい出来事について、必要な人・日時・場所をたどれるかがポイントです。確認する担当者や閲覧できる範囲、保存期間、外部へ出力する方法も、利用目的に合わせて整理します。
通常どおり入室できない場面にも、運用を見直すヒントがあります。たとえば、カードを忘れた社員への対応と、設備が停電で使えない場合では、確認すべきことが異なります。代替の鍵やカードを使うなら、その保管者、本人確認の方法、利用後の記録まで手順として共有されているかが確認点になります。
点検で見つかった課題は、「連絡・担当・手順の問題」と「現在の設備でできることの問題」に分けて考えることをおすすめします。
退職の連絡が設定担当へ届いていないなら、まず連絡経路と完了確認を整えます。登録変更に複数の台帳や管理画面を使い、転記が負担になっているなら、現在のシステムの管理方法や連携機能を調べる段階です。区画ごとに入室を制限したくても、対応する扉や錠がない場合は、設備側の検討も必要になります。
認証方式を比較するときは、現在のカードシステムでできることを把握しておくと、変更が必要な部分を判断しやすくなります。カード方式にも、利用停止によって入退室を制限できるシステムがあります。
顔認証への変更や併用を検討するなら、比較条件をそろえます。同じ利用人数・対象の扉・来訪者対応を前提に、日々の登録変更、持ち物の管理、入室できない場合の対応を比べると、運用上の違いが見えてきます。費用を比べる際にも、機器代だけでなく、工事範囲や継続利用にかかる費用、保守の範囲をそろえて確認する必要があります。
カード忘れへの対応や、入室のたびにカードを取り出す手間が気になるなら、顔認証も選択肢の一つです。対応する扉では、登録した顔で入室できるため、カードを持ち歩く負担を減らせます。臨時カードの貸し出しや再発行への対応を減らせるかも、検討のポイントになります。
FreeiDを導入いただいたエフピコ様の東京本社では、共用部用の入館カードと、執務エリア用の社員証を使い分けていました。顔認証への統一後は、この使い分けが不要になり、総務のご担当者からも、利用者の利便性が向上したという声をいただいています。
従業員からは、カードを忘れて取りに戻ることがなくなったという声もありました。一方、年に数日程度の出張で訪れる人には、一時的に入室カードを貸す運用も取り入れています。日常的に働く社員は顔認証、短期間の利用者はカードという使い分けの例です。
出典:エフピコ様へのFreeiD導入発表・掲載コメント(2022年5月19日)
こうした事例を、自社で繰り返し発生している困りごとと重ねてみましょう。社員の出入りがスムーズになることに加え、総務がどの対応を減らせそうかまで考えると、導入後の変化を具体的にイメージしやすくなります。
導入の際は、顔認証を使う場所と、既存カードを残す場面を決めていきます。利用できる機能やカードとの併用の可否は、扉・錠・システムの構成によって異なります。入室権限の更新や、認証できないときの対応、共連れへの対策も、実際の使い方に合わせて整えておきましょう。
日々の対応を振り返ると、「受付からの連絡が特定の人に集中する」「登録変更のたびに複数の担当者へ確認している」といった課題が見えてくるかもしれません。気になる業務について、負担が生じる場面と現在の対応をまとめると、関係者と見直しの方向を話し合いやすくなります。
まとめた内容は、手順の変更で改善したいことと、機器やシステムの変更で実現したいことを考える材料になります。新しい仕組みを検討する段階では、総務・情シス・設備の管理者と、次の条件を共有しておくと相談を進めやすくなります。
どの扉で使い、既存の鍵やカードをどこに残すか。
権限の変更がいつ反映され、停止をどう確認できるか。
入退室ログの項目・保存期間・閲覧権限・出力方法が、必要な確認作業に合うか。
顔情報を何のために取得し、どこに保存し、利用終了後にどう削除するか。従業員への説明や同意の手続きをどう行うか。
認証できない場合、通信が切れた場合、停電した場合に、それぞれどう対応するか。
仕様の説明を聞く際は、自社の利用場面を添えると確認する内容が具体的になります。「退職者の権限を止める」「来訪者を会議室へ案内する」といった一連の流れで考えると、誰の作業がどう変わるのかを捉えやすくなります。
顔認証を取り入れた場合の働く人と管理部門の動きを知りたい方は、FreeiDのオフィス活用を紹介する特設ページもご覧ください。